2023年07月25日
大久保混声合唱団第45回定期演奏会 2023.7.23 杉並公会堂大ホール
7月23日は杉並公会堂大ホールで大久保混声合唱団第45回定期演奏会が開催されました。久しぶりの舞台袖は初めて訪れたような新鮮さ。このホールの技術スタッフさんは舞台袖に常駐されないので、照明や音響機材は主催者(私たち)が操作します。この仕組みの良し悪しはそれぞれでしょうが、今回は(私には)やりやすかった。その場におられないとはいえ、舞台袖の様子は常に見てくれているようで、困っていれば適切な提案をしに来てくださるし、何より、こちらの考えを優先し尊重してくれる。やわらかく接してくれて、基本やさしい。もちろん、ルール(約束)違反をしたら、すぐに目の前にいらして指導されるのでしょう。むかしの舞台技術スタッフさんはこうじゃなかったですね。時々気配を消したりしながら常に目の届く範囲にいらっしゃる。本番当日は一升瓶を持って参上しましたもの。緊張したけど味方に付ければ怖いものなしで、頼んでないこともたくさんしてくれて、助けてくれた。契約がどう、ルールや役割がどうではなくて、価値を認めてもらえれば(気に入れば)何でもしてくれる。今の世の中では、それが良いとは言えないし戻って欲しいとは全く思わないのですが、なんだか懐かしい。
最終のアンコールステージ(愛唱曲集)は、初代(創立)指揮者の辻正行先生(1932-2003)没後20年ということもあって、選び抜かれた4曲、「歓迎のうた(中村義光)」「おわりのない海(松下耕)」「ほほえみ(鈴木憲夫)」「わたりどり(大中恩)」が演奏されました。それまで緊張感ある作品(演奏)が続いたからか、ホール全体の雰囲気も穏やかになり、お客様もあたたかく盛り上がる。演奏会の締め括りは「わたりどり」の連続演奏。本編では無伴奏で(いつも通り)、そのあとに(アンコールとして)ピアノ伴奏版が演奏されました。このピアノ伴奏版は作曲者本人によるもので、来年(2024年)の大中恩生誕100年を記念し先月(2023年6月)発売されたばかり。このタイミングで2つのバージョンを披露する演出はこの曲を歌い継いできた大久保混声だからこそ説得力のあるもので、とても素敵でした。
「わたりどり」は大中先生の作曲年表の1曲目に記載されていて、学徒出陣で海軍に召集された時期、19歳の時の作品です。作曲の経緯を簡単に想いはかることはできませんが、強く、はかなげで、美しい、この作品の持つ魅力はピアノ伴奏版でもそのままに、でも、新たな作品に出逢ったかのような新鮮な印象も与えてくれました。
「わたりどり」は、大久保混声合唱団第1回演奏会(1962年10月)で演奏されています。当時のプログラムを開くと、辻正行先生よるノート(曲目の解説にかえて)にこう書かれています。「最近非常に合唱曲に意欲を持って居られる大中恩氏のものを、氏の推薦によって三曲歌います。どれも皆すばらしい曲で広く歌われてよい作品だと思います。」
作品そのものの力に加えて、繰り返し演奏されてきた歴史の長さとその質によって価値が高まり人々に愛され、本当の名曲と成り得るのかもしれないと、そんなことを思わせてくれた豊かな一日でした。
「おわりのない海」と「ほほえみ」についても書きたいと思っていたのですが、いずれまた。
最終のアンコールステージ(愛唱曲集)は、初代(創立)指揮者の辻正行先生(1932-2003)没後20年ということもあって、選び抜かれた4曲、「歓迎のうた(中村義光)」「おわりのない海(松下耕)」「ほほえみ(鈴木憲夫)」「わたりどり(大中恩)」が演奏されました。それまで緊張感ある作品(演奏)が続いたからか、ホール全体の雰囲気も穏やかになり、お客様もあたたかく盛り上がる。演奏会の締め括りは「わたりどり」の連続演奏。本編では無伴奏で(いつも通り)、そのあとに(アンコールとして)ピアノ伴奏版が演奏されました。このピアノ伴奏版は作曲者本人によるもので、来年(2024年)の大中恩生誕100年を記念し先月(2023年6月)発売されたばかり。このタイミングで2つのバージョンを披露する演出はこの曲を歌い継いできた大久保混声だからこそ説得力のあるもので、とても素敵でした。
「わたりどり」は大中先生の作曲年表の1曲目に記載されていて、学徒出陣で海軍に召集された時期、19歳の時の作品です。作曲の経緯を簡単に想いはかることはできませんが、強く、はかなげで、美しい、この作品の持つ魅力はピアノ伴奏版でもそのままに、でも、新たな作品に出逢ったかのような新鮮な印象も与えてくれました。
「わたりどり」は、大久保混声合唱団第1回演奏会(1962年10月)で演奏されています。当時のプログラムを開くと、辻正行先生よるノート(曲目の解説にかえて)にこう書かれています。「最近非常に合唱曲に意欲を持って居られる大中恩氏のものを、氏の推薦によって三曲歌います。どれも皆すばらしい曲で広く歌われてよい作品だと思います。」
作品そのものの力に加えて、繰り返し演奏されてきた歴史の長さとその質によって価値が高まり人々に愛され、本当の名曲と成り得るのかもしれないと、そんなことを思わせてくれた豊かな一日でした。
「おわりのない海」と「ほほえみ」についても書きたいと思っていたのですが、いずれまた。