2014年12月30日

2014年の営業は終了いたしました。

今日はある作曲家との打合せで関西へ。シン・ムジカにとって最も重要且つ得意とする仕事のひとつ、作品資料のデジタル化と一括管理業務をご依頼いただきました。
本日をもって今年の営業は終了です。2014年も多くの皆様に支えていただき、心から感謝申し上げます。来る2015年も引き続き何卒よろしくお願いいたします。

今回の出張で入手したお土産の数々

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 23:38Comments(0)シン・ムジカ

2014年12月23日

≪「水のいのち」50周年記念≫御殿場フラウェンコール&三島フラウェンコール/ジョイントコンサート

午後から外せない用事があり本番は伺えなかったため、無理を言ってリハーサルにお邪魔させていただきました。御殿場市民会館は初めての訪問。事務所棟から入り大ホールに向かうと、沼津フラウェンコール、沼津あゆみ会の皆様と久しぶりに再会しご挨拶。ホールに入ると第二部のリハーサル中で、しっとりとしたやさしい音色が空間を満たしていました。座席は新しく、座り心地がとてもよい。音響も好印象です。

第二部リハーサル(左)と客席(右)


第二部のリハーサル終了後、なんと予定にないタイミングで「水のいのち」の“雨”を聴かせてくださいました。その後のステージ転換中に、指揮の芹澤先生にご挨拶、関係者の皆様も次々とお声掛けくださり、とても嬉しく、あたたかい空間でした。
三島フラウェンコール「心の四季」リハーサルが始まりました。演奏を聴いていると、合唱団の皆さんの丁寧な取り組みが伝わってくるような自然体で誠実な演奏。音楽に弛緩が見られず、流れが保たれていて、良い意味で「音符が見えない」のです。芹澤先生の指揮も、一年前に間近で接した時とは見違えるよう。

三島フラウェンコール


全曲を通して情緒過多に陥ることなく、しかし、潤いのある音色が持続しており、そのバランスへの配慮は見事なもので、髙田作品に最も大切な表現だと思う。願わくばこの志向のまま、圭角がもう少し欲しいところだけれど、それは演奏の精度と関係することだし、贅沢なこと。

「水のいのち」リハーサル前に、舞台スタッフの村田さんと久しぶりの再会、そして、富士宮市民合唱団の清さんのご子息であり、コントラバスの清祐介さんにもご挨拶できました。

「水のいのち」リハーサル


「水のいのち」は「ピアノと弦楽による」編曲版。しかし、静岡へ帰る時間が近づいていて、開始10分ほどで後ろ髪を引かれながら会場を後にしました。残念。
短い時間でしたが新鮮な発見に満ちた、豊かな時間を与えていただきました。思いがけない再会と出会いにも感謝したいと思います。

プログラムを拝見して、御殿場市歌が信時潔の作曲であることを知りました。信時潔は髙田三郎の師。嬉しい発見でした。



合唱組曲「水のいのち」50周年記念
【ジョイントコンサート】
御殿場フラウェンコール&三島フラウェンコール


■御殿場公演 
2014年12月21日(日)13:30開演
御殿場市民会館大ホール

指揮:芹澤卓弥
ピアノ:瀧口純子/小野鈴代
弦楽:Hibiki Chamber Orchestra

御殿場市歌(信時潔)
女声三部合唱組曲「確かなものを」(髙田三郎)
ちゃっきり節(町田嘉章/編:立花亮)
二度とない人生(鈴木憲夫)
くちなし(髙田三郎/編:須賀敬一)
富士の山(文部省唱歌/編:大竹くみ)
女声合唱組曲「心の四季」(髙田三郎)
ディヴェルティメント K.138(モーツァルト)
女声合唱とピアノと弦楽による「水のいのち」(髙田三郎/編:今井邦男)

三島公演は2015年1月18日(日)13:30開演、三島市民文化会館大ホールで開催されます。

  
タグ :水のいのち


Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 11:49Comments(0)イベント情報

2014年12月20日

【チケット発売開始】松井慶太×東京カンマーフィル≪第九≫

松井慶太(指揮)、東京カンマーフィルハーモニー≪第九≫のチケット発売開始です。
シン・ムジカでも取り扱っています。お申し込み、お問い合わせはお気軽に!

シン・ムジカ(担当:蓑島) 
電話:050-3712-0393
メール:shinmusica@mbr.nifty.com




東京カンマーフィルハーモニー第10回定期演奏会

L.v.ベートーヴェン
「レオノーレ」序曲 第1番 op.138
交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」

指揮:松井慶太
ソプラノ:経塚果林/アルト:木下泰子
テノール:渡辺大/バリトン:浅井隆仁
合唱:東京カンマーフィルハーモニー合唱団
合唱指揮:山本義人

入場料:2,000円(全席自由)

●チケット取り扱い
イープラス http://eplus.jp/(PC・携帯共通)
シン・ムジカ 電話:050-3712-0393/メール:shinmusica@mbr.nifty.com

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 11:27Comments(0)イベント情報コンサート

2014年12月19日

ソプラノ・横山靖代さんと打合せ

本日は静岡市内でソプラノ・横山靖代さんと打合せ。計画中のコンサートについての打合せと様々な情報交換をさせていただき~およそ4時間ほど~とても有意義な時間を過ごすことができました。横山さんにご出演いただく予定のコンサート「作曲家の庭~山田耕筰」(仮)は、アルト・小川明子さんとの共演で(実はお二人は藝大の同級生!)、山田耕筰の芸術歌曲を中心に、耕筰が敬愛していたリヒャルト・シュトラウスの歌曲も織り交ぜて構成しようという試みの企画です。2016年の開催を予定していますが、詳細が決まり次第発表させていただきます。ご期待ください。

さて、横山さんご出演、年明けのコンサートのご案内です。開催日は前後しますが、2015年2月開催「HOTひといきコンサート」から。静岡市文化振興財団が実施しているこのコンサートも2015年2月で200回を迎えるそうです。その記念すべき機会に、チェロ・青嶋直樹さん(2/18)、ソプラノ・横山靖代さん(2/19)の出演が決まりました。横山さんの歌う楽曲について構想を伺ったところ、さながら名歌特集ともいうべき魅力的なプログラム。この機会にぜひ沢山の皆様にお聴きいただきたいと思います。



HOTひといきコンサート≪200回記念≫
2015年2月19日(木)12:00~12:50
出演:横山靖代(ソプラノ)
静岡市役所静岡庁舎新館1階ラウンジ
入場無料
お問合せ:(公財)静岡市文化振興財団 054-255-4746


もうひとつはすでにこの場でご紹介した2015年1月11日開催「富士宮プレミアムコンサート合唱団/第5回新春コンサート」です。私にとって思い入れの深い合唱団の皆様、オーケストラと共に、ソプラノソリストとしてご出演。こちらも大変魅力的なコンサートです。ぜひお運びください。



富士宮プレミアムコンサート合唱団
第5回新春コンサート
珠玉のクラシック ~ウィーン古典派の響き~

W.A.モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
F.クロンマー:オーボエとフルートのための協奏曲
W.A.モーツァルト:荘厳ミサ K.337

指揮:金昌国
管弦楽:アンサンブル of トウキョウ
合唱:富士宮プレミアムコンサート合唱団

オーボエ:青山聖樹/フルート:井出朋子
ソプラノ:横山靖代/メゾソプラノ:木下泰子
テノール:勝又晃/バリトン:田代和久

2015年1月11日(日)14:00 開演 ※13:20 開場 
富士宮市民文化会館・大ホール

指定席3,000円/自由席2,000円/学生券1,000円
チケット問い合わせ:0544-21-9818(リアルネット)

主催:富士宮プレミアムコンサート合唱団
助成:ふじのくに文化芸術振興助成

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 22:09Comments(0)イベント情報演奏家

2014年12月16日

バリトン浦野智行さん出演≪クリスマスにおくる~チャイコフスキー~≫

バリトン歌手・浦野智行さん出演のコンサートに行ってきました。相変わらず美しく透明感のある音色と端正で新鮮な表現。作品への敬意と深い洞察を感じる演奏は他では決して聴くことはできません。ただ、浦野さんの演奏はたった4曲、もっと聴きたかった…。

プログラムとチケット


終演後は場所を移してブッフェ形式のディナー。ここでは「White Christmas」と「ジングルベル」の演奏がありました。ジングルベルでは浦野さんは鈴で参加。食事はすぐに無くなり、お酒も飲めないので30分ほどで退席しました。

鈴を持って演奏中の浦野さん


浦野さんに弊社カレンダーをお渡しし、私どもの悲願(?)である、近い将来のリサイタル開催について情報交換をしました。楽しく実りある時間でした。



Classical Music Chapel live & Party
~クリスマスにおくる~
チャイコフスキー

2014年12月15日(月)19:00開演
アイビーホール(青学会館)チャペル

バリトン:浦野智行
ピアノ:アンサンブルMegRio:毛利正×今野恵子

歌曲『森よ お前達を祝福する』(A.トルストイ)
歌曲『語るな 我が友よ』(ハルトマン詩/プレシチェーエフ露訳)
歌曲『 ただ 憧れを知る者のみが』(ゲーテ詩/メイ露訳)
『エフゲニー・オネーギン』より グレーミン公のアリア“この世のよろこびは”

バレエ音楽「くるみ割り人形」「白鳥の湖」(ピアノ連弾)


アンコール
きよしこの夜(日本語&英語)

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 16:03Comments(0)イベント情報演奏家

2014年12月16日

紀尾井町サロンホール

新大久保のコーラス・スタジオ(旧辻音)へ年末のご挨拶に伺った後、紀尾井町サロンホールの内覧へ。東京メトロ「麹町」1番出口から歩いて4分くらい。都市センタービルのすぐ近くで、意外にわかりやすそう。到着後、館長の須嵜さんにご挨拶、物腰の柔らかい素敵な方でした。80席の小さなホール、オープンから3年で、とても綺麗で品があります。

外から見た様子


受付は、シャガール「ロミオとジュリエット」がお出迎え。こじんまりとしていますがわかりやすい造りです。



傘立ては壷


客席は清潔感有り、椅子も座りやすい。それほど狭く感じない余裕のある空間でした。

ステージからの客席(左)&最後列の後ろは通路なし(右)


客席からのステージ


照明も音響も主催者側で操作をするのですが、それほど難しくない様子。録音はUSBメモリ・SDカード・MDから選べます。物品販売を考慮に入れてもスタッフ3~4人で運営できそうなイメージでした。
館長さんも仰っていましたが何より大切なのはホール名称と場所のアナウンス。有名な「紀尾井ホール」ではないということをお客様にわかるように伝えなければと実感しました。



紀尾井町サロンホール
東京都千代田区紀尾井町3-29
紀尾井町アークビル(旧:紀尾井町福田ビル)1F
有楽町線「麹町駅」1番出口 徒歩4分
http://www.ark-home.jp/hall/

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 14:11Comments(0)演奏家シン・ムジカ

2014年12月09日

≪生誕100年≫フェレンツ・フリッチャイ Ferenc Fricsay

フェレンツ・フリッチャイ Ferenc Fricsay
1914.8.9/ブタペスト(ハンガリー)~1963.2.20/バーゼル(スイス)

フリッチャイはドイツを中心に活躍し、48歳の時に白血病で亡くなった指揮者である。2013年は没後50年、2014年は生誕100年ということで、数々の記念CDがドイツ・グラモフォンやタワーレコードから発売された。

≪没後50年企画≫2013/3/8発売・タワーレコード「フェレンツ・フリッチャイの芸術」第1期/ベートーヴェン: 交響曲選集 http://tower.jp/item/3210068/
初回販売版は商品不良との連絡があったのですが、せっかくなので交換せずに記念品として保管。



≪生誕100年企画≫2014/7/8発売・ドイツ・グラモフォン『フェレンツ・フリッチャイ/DGレコーディングズ全集Vol.1~管弦楽曲編』 http://tower.jp/item/3629174/



この二度とない機会に、フリッチャイを偏愛している私個人の想いを、ここに書き留めておきたい。

初めてフリッチャイの演奏を聴いたのは、ベートーヴェン交響曲第9番のCDだった。名古屋栄のPARCOに入っていたタワーレコードだっただろうか、表紙に惹かれ手にしたところ、ソリストがヘフリガーとディースカウ、そして「ステレオ録音」と書いてある。これが決め手となり購入した。

ベートーヴェン交響曲第9番≪合唱≫(1993/11/1発売・DG Ferenc Fricsay Edition)
ゼーフリート(S) フォレスター(A)ヘフリガー(T)フィッシャー=ディースカウ(Br)
聖ヘトヴィッヒ大聖堂聖歌隊
フリッチャイ(指揮) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1957年12月、1958年1月・4月 ベルリン・イエスキリスト教会



当時は奇想天外な、個性的な演奏がばかり聴いていたので「特徴のない、退屈な演奏」としか思えず、一度聴いたきりだった。(今では数ある第九CDの中で最も愛する演奏のひとつ)

その後しばらくして、宇都宮の新星堂でドヴォルザーク交響曲第9番のCDを手に取った。その頃≪新世界より≫を気に入って聴いていたので購入したのだと思うが、思いがけずその演奏にしびれてしまった。特に3楽章のリズム感の凄さ、これは指揮者の能力によるものと確信した。(カルロス・クライバーのブラームス交響曲第4番を聴いたときと同様の衝撃だった。)4楽章冒頭の表現にもひっくりかえった。こんなのあり?という驚き。

ドヴォルザーク交響曲第9番≪新世界より≫(1996/11/21発売・DG LEGEND)
フリッチャイ(指揮) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
1959年10月 ベルリン・イエスキリスト教会



それからは、フリッチャイのCDを探し蒐集する日々。1961年のベートーヴェン交響曲5番の崇高な響きと佇まいに夢中になり、何度も聴いた。第1番も新鮮かつ生命力溢れる名演である。指揮者の意向でお蔵入りになっていたとされる1959年のチャイコフスキー交響曲第6番は信じられないほど凄い演奏。その深みのある音色に引きずり込まれた。(こちらは凄演すぎて繰り返し聴けない・・・)

様々な録音に接して思うのは、演奏の集中力に意外とばらつきがあること。録音時期によることも承知しているが、霊的な凄みを感じる演奏もあれば、思いのほか淡白な演奏もある。しかし、これらについても彼の人間性を想い起こさせ、より惹かれてしまう要因になっているのだ。そして、芳醇な響きや色彩を生み出す卓越したバランス感覚、作品に生命力を与えるリズム感は他に類を見ないと思う。バルトークの教えを受け、その演奏において第一人者であったことも理由にあろう。音楽に向かう真摯な姿勢、根源的な魅力でもって共演者を惹きつけてしまう音楽的才能と人間性を、演奏から窺い知ることができる。
批判を受けることを承知の上で言うと、カルロス・クライバーと同列の天才性をもっていたのではあるまいか。ただし、演奏の性格は異なるし、フリッチャイはもう少し我々に寄り添った位置にいたのかもしれない。

前述『フェレンツ・フリッチャイ/DGレコーディングズ全集Vol.1~管弦楽曲編』は、1949-1961までの記録である。この短い期間に管弦楽作品のみでCD45枚分を収録したことは、ステレオへの改変期であったレコード会社の期待の大きさの表れであるし、ハイドンから当時の現代音楽までというレパートリーもその演奏水準からすると尋常ではない幅広さだ。

あらためて、その才能と人間に想いを馳せる。1914年生まれの指揮者はラファエル・クーベリック、カルロ・マリア・ジュリー二がいる。彼らと同じように、もっと長く生きて演奏活動を続けて欲しかった。私の愛する指揮者は、ユージン・オーマンディ、イシュトヴァン・ケルテス、いずれもハンガリー出身の指揮者である。

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 16:02Comments(0)演奏家音楽

2014年12月08日

マーク・パドモアとポール・ルイス Mark Padmore & Paul Lewis

シン・ムジカは東京銀座・王子ホールへ。高速道路も都内一般道もスムーズで、歌舞伎座地下駐車場に無事入庫。歌舞伎座の地下を散策してから「元楽」で昼食をとる。

歌舞伎座地下街と『元楽』チャーシュー麺大盛


昼食後、銀座三越を見てから、スターバックス1号店で王子ホールのステマネさんと待ち合わせ。年末のご挨拶と30分ほど情報交換(雑談?)。

銀座『CENTRE THE BAKERY』イギリスパン


開場時間も30分が経過したところでホール受付へ向かう。(王子ホール主催事業は開演1時間前に開場)1階フロアにはバーコーナーが開設されていた。

1Fバーコーナー


プログラムの紙は「王子製紙ニューエイジ菊判62.5kg」さすが製紙会社!こだわっています。落ち着いた雰囲気のマットコート紙で文字も読みやすく、手触りがしっとりしていて“めくり音”も控えめ。



いよいよ開演。パドモアの実演に接するのは2011年トッパンホールでの「水車小屋」以来・・・期待に胸が高まる。
入場の様子は、まるで僧侶と絵描きが現れたよう。虚飾ない、この上なく自然なたたずまい(に見える)である。大体において、演奏家が入場したときにその日の演奏の質がわかるのだが、信頼に足る立ち姿であった。

前半はベートーヴェンの歌曲。「遥かなる恋人に寄す」は私の最も愛する作品のひとつだが、最後の第6曲における第1曲の主題が回帰する部分のすごさ、美しさは筆舌に尽くしがたい。これほどの豊かな溢れんばかりの表現を私は知らない。

20分の休憩後、後半はシューベルト最後の歌曲集「白鳥の歌」。楽譜掲載順に演奏された。その表情、目線、動きの全てが、作品に繋がり意味を成している。すばらしい美声を殊更に強調することもない。歌唱技術は完全に手段と化し、もはや、良い声を出そうとか、発声を気にするような志向は感じられない。作品の持つ物語を、音と詩によって聴衆にどう伝えるか、いや、彼にとっては詩(テキスト)がすべてであるという意思も見えてくる。音楽と演劇のさらに向こう側の世界だと感じた。

培ってきた歌唱技術を活用し、どんな音楽(表現)をするのか。彼の目指してきた(いる)場所が今回のリサイタルでは明示されていたといえる。この機会に接することができたのは私にとって大きな出来事であった。
演奏における感情の抑制と発露、これらの適切な表現はめったにお目にかかれないが、今回は見事であったと思う。彼らの知的な計画(?)が見事に適合したというべきだろう。

余談だが、今回の演奏に接すると、シューベルトの歌曲はバスが適しているとか、本来はテノールの作品だとか、もうどうでもいいと思えてくる。

今回もアンコールは無し、それも良いと思う。

サイン会の様子


マーク・パドモア(テノール)&ポール・ルイス(ピアノ)
~シューベルト三大歌曲集全曲演奏会~

<第3日>白鳥の歌

12月7日(日)15:00開演 ※14:00開場
銀座・王子ホール

ベートーヴェン:
「8つの歌」より 五月の歌 Op.52-4
「6つの歌」より 新しき愛、新しき生命 Op.75-2
星空の下での夕べの歌 WoO150
連作歌曲 「遥かなる恋人に寄す」 Op.98
丘の上に私は座って/山々の青いところ/空高く軽やかに舞う鳥
空高くゆく雲/5月がめぐってきて/お別れにこの歌を

シューベルト:
歌曲集「白鳥の歌」 D957
愛の便り/戦士の予感/春のあこがれ/セレナード/すみか/遠い国で/別れ
アトラス/彼女の肖像/漁師の娘/都会/海辺にて/影法師/鳩の使い

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 14:42Comments(0)イベント情報音楽

2014年12月03日

~クリスマスにおくる~チャイコフスキー≪チャペルライブ&ディナー≫

今年も浦野智行さん出演の≪チャペルライブ&ディナー≫がアイビーホール(青山・表参道)で開催されます。今回はチャイコフスキーの歌曲とアリアが中心です。浦野さんのロシアものは絶品です。ぜひお運びください。もちろんシン・ムジカもまいります!



Classical Music Chapel live & Party
~クリスマスにおくる~
チャイコフスキー

森よ お前達を祝福する
語るな 友よ
ただ 憧れを知る者のみが
『エフゲニー・オネーギン』より グレーミン公のアリア
バレエ音楽「くるみ割り人形」「白鳥の湖」(ピアノ連弾)


バリトン:浦野智行
ピアノアンサンブル:毛利正×今野恵子

2014年12月15日(月)
19:00~ チャペルライブ
19:45~21:00 ディナー
※食事付き演奏会

アイビーホール(青学会館)
※地下鉄表参道駅下車徒歩5分

5,000円(税サ込)

ご予約・お問合せ
アイビーホール 03-3409-8181

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 18:17Comments(0)イベント情報

2014年12月03日

【荻久保和明「しゅうりりえんえん」】辻正行×川井敬子×大久保混声合唱団の名演

混声合唱とピアノのための組曲
しゅうりりえんえん
「みなまた海のこえ」より

詩 石牟礼道子
曲 荻久保和明

しゅりがみやま http://youtu.be/NdQUd5HfpyI
ふるさと(故郷) http://youtu.be/21HNnlNimMA
はかい(破壊) http://youtu.be/VXEOlQ2aWEg
うたげ(宴) http://youtu.be/H4k2erhTjok
たんじょう(誕生) http://youtu.be/q661K_x-DMo
ゆうきすいぎん(有機水銀) http://youtu.be/vEjw-agZDYo
ばんか(挽歌) http://youtu.be/BKoS-_OsZtY
ひかりのたき(昇天) http://youtu.be/ULMlNr0UBdQ



辻正行(1932-2003)没後10年記念CD

髙田三郎「橋上の人」「梢」
荻久保和明「しゅうりりえんえん」
大中恩「わたりどり」

指揮:辻正行
ピアノ:川井敬子
合唱:大久保混声合唱団

制作:シン・ムジカ

■パナムジカ
https://www.panamusica.co.jp/ja/product/15108/
■タワーレコード
http://tower.jp/item/3280459/
■アマゾン
http://www.amazon.co.jp/dp/B00DQ9MY8I

  
タグ :辻正行


Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 10:09Comments(0)演奏家CD情報

2014年12月02日

≪English Tenor≫イングリッシュ・テナー【2】

≪イングリッシュ・テナー≫の原点に遡る。

「ミスター・ヘンデルは極めて素晴らしいイングリッシュ・ヴォイスを得た・・。」

オラトリオ『メサイア』の作曲家として有名なG.F.ヘンデルが見出し育てたテノール歌手「ジョン・ビアード」について書かれた新聞記事の一節である。彼の出現が、ヘンデルのその後の作品に大きな影響を与えた。

ジョン・ビアード(ca1717-91)



ピアードのためにヘンデルが作曲した幾つかのアリアを見て行くと、彼の声を想像するヒントが浮かび上がってきます。それは、イタリア人テナーのために書かれたそれまでのアリアには、殆ど見られなかった、ロング・トーンの美しい、滑らかなフレーズが現れるという事です。これがつまり、極上のイングリッシュ・ヴォイスのために書かれた音楽なのです。そしてこの事から、ピアードの声質や表現形態は、限りなく現代の「イングリッシュ・テナー」のものに近いということが想像できるでしょう。(辻裕久)

≪イングリッシュ・テナー≫はジョン・ビアード(ca1717-91)にはじまり、ピーター・ピアーズ(1910-86)によって大輪の花を咲かせ、今も伝統が受け継がれている。その歴史が生み出した膨大なレパートリーは、イギリス声楽史上、重要な位置を占めている。

その歌唱技術ゆえか、彼らの来日公演では古楽作品、あるいは、人気の高いシューベルト、シューマン、ベートーヴェンの歌曲というプログラムが多いようだ。集客を考慮しての判断もあるだろうが、イギリス歌曲も存分に聴かせて欲しいと願う。

8年ほど前だろうか、イアン・ボストリッジがシューベルトとブリテンの作品を歌ったリサイタルに接した。それについて、故畑中良輔先生に「ブリテンは良かったのですが、シューベルトは・・・」と感想をお伝えしたところ、「そうだろう、僕もそう思う。」とのお返事であった。

~閑話休題~

≪イングリッシュ・テナー≫の特質は、内なる強烈な感情を秘めつつ大きな表現を避ける、日本人が共感し得る演奏スタイルの筈なのだけれど、翻って考えると、残念ながら現在の日本人が好む(興味を持つ)スタイルではないのだという納得感も。自分たちに近いものより、遠いものに憧れるという気質によるのだろうか。

イギリスの歌唱技術と伝統を彼の国で学び、演奏も数多く行ってきた辻裕久さんは、日本におけるイギリス歌曲のスペシャリストとしての草分けであり貴重な存在である。彼のことばで締め括りたい。

ピアーズの残した印象はあまりにも強く、日本人の私でさえも、様々な意味でピアーズと比較されることがあります。「イングリッシュ・テナー」の本質はとらえつつ、しかしどのイングリッシュ・テナーとも違う、“英国の味”を表現することが、私がめざすべき、私自身のスタイルの確立であり、歌手としてのアイデンティティーの確立であると信じています。
ヘンデルの愛したテノール、ジョン・ビアードと、ブリテンが生涯の伴侶として愛したピーター・ピアーズ。それぞれの時代において、イギリスの聴衆を魅了し、また後世にも影響を与える偉大な仕事をしたこの二人の演奏家は、私がイギリス声楽曲をライフワークとして歌い続けてゆく上での大きな存在です。彼らの残したイングリッシュ・テナーのレパートリーを21世紀の世界に歌い継ぐ者の一人として、私はここに、深い尊敬と感謝の念を捧げます。

辻 裕久



【速報】第19回英国歌曲展(ten辻裕久&pfなかにしあかね)開催決定のお知らせ

テーマは「イギリスとイタリア」 (仮)です。
プログラムなど詳細は決定しだいご案内いたします。
ご期待ください!

■静岡公演 *コンサートシリーズ「世界のうた」特別企画
2015年9月6日(日)14:00開演(予定) 七間町・江﨑ホール

■東京公演 
2015年9月9日(水)19:00開演(予定) 銀座・王子ホール

※参考文献
CD(FMC-5040)「ベンジャミン・ブリテン歌曲集~Ten辻裕久」
東京書籍「ヘンデル~クリストファー・ホグウッド/訳・三澤寿喜」

  

Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 22:51Comments(0)演奏家音楽

2014年12月01日

松井慶太指揮/L.v.ベートーヴェン 交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」

若き実力派指揮者、松井慶太指揮の“第九”です。ご期待ください!



東京カンマーフィルハーモニー第10回定期演奏会

L.v.ベートーヴェン
「レオノーレ」序曲 第1番 op.138
交響曲第9番 ニ短調 op.125「合唱付き」

指揮:松井慶太
ソプラノ:経塚果林/アルト:木下泰子
テノール:渡辺大/バリトン:浅井隆仁
合唱:東京カンマーフィルハーモニー合唱団
合唱指揮:山本義人

入場料:2,000円(全席自由)

●チケット取り扱い ※12月中旬発売開始(予定)
イープラス http://eplus.jp/(PC・携帯共通)
シン・ムジカ 電話:050-3712-0393/メール:shinmusica@mbr.nifty.com

●お問合せ
kammerphil_tokyo@yahoo.co.jp

  

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