2018年05月18日

中桐望出演/東京オペラシティ“B to C~バッハからコンテンポラリーへ

1997年から続いている東京オペラシティ(TOC)の超有名企画“B to C~バッハからコンテンポラリーへ(202回)”に中桐望さん(シンムジカ・アーティストネットワーク)が出演されました。辻裕久&なかにしあかねの出演が2000年(22回)ですから、このシリーズの歴史と価値をあらためて感じます。
選曲と構成は中桐さん本人が考え抜いた見事なもので、バッハ―ショパン(バッハを敬愛)―ドビュッシー(ショパンのピアニズムを受継ぐ)―メシアン(ドビュッシーに傾倒)の流れに、邦人作曲家による3作品が意味深く配置されていました。
彼女のピアノはとにかく歌う。しかも音の密度が濃く、余韻も上質で隙がない。時間をかけて作品の内側に入り込み、本質を抉り出していく。作曲家の偉大な作品に立ち向かう姿、そして、演奏が進むにつれて音楽家と作品の魂が同一化していくかのような感覚は、中桐さんが異次元の存在に昇華したように思われ、圧倒されました。表面的な美しさだけを求める姿勢は皆無で、内実を追求し顕にしていくようなとりくみ。人間の素直な感情もそこにある。
東川愛さんの卓越した曲目解説も、このコンサートを価値あるものにしていました。
当日は、「中桐望後援会」の設立も発表され、私共も今後益々の飛躍を応援してまいります。

中桐望出演/東京オペラシティ“B to C~バッハからコンテンポラリーへ
中桐望出演/東京オペラシティ“B to C~バッハからコンテンポラリーへ

東京オペラシティリサイタルシリーズ
B→C バッハからコンテンポラリーへ

2018年5月15日(火)19:00開演
東京オペラシティ リサイタルホール

中桐 望(ピアノ)

南 聡:ジグザグ バッハ Op.45-4 (2000)
J.S.バッハ:最愛の兄の旅立ちに寄せるカプリッチョ BWV992
F.ショパン:舟歌 Op.60
C.ドビュッシー:版画
O.メシアン:4つのリズムエチュード (1949-50)
武満 徹:雨の樹 素描Ⅱ -オリヴィエ・メシアンの追憶に (1992)
池辺晋一郎:J.S.の声のほうへ -ピアノのために (2000)
J.S.バッハ/ブゾーニ編:シャコンヌ

アンコール曲
ショパン:ノクターン第12番 ト長調 op.37-2

〈主催〉公益財団法人 東京オペラシティ文化財団



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Posted by シン・ムジカ - 蓑島音楽事務所 at 15:08│Comments(0)コンサートイベント情報演奏家シン・ムジカ
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